【地酒コラム – 最終回】第55話 ふる里の地酒を愉しむ~徳島編
全面積の約8割が山地の徳島県は、山間部は比較的涼しく、冬場も温暖な気候です。
現在、県内には吉野川流域沿いに25の酒蔵が点在していますが、
剣山を源にする伏流水を仕込み水に使用した造りで、徳島のお酒はまろやかな中辛口の味わいが特徴です。
旅酒の蔵元は、国の梅酒特区に指定されている「梅の里」美郷地区にある徳長梅酒製造場で、
創業はまだ浅いものの、あらゆる可能性にチャレンジしている酒蔵です。
例えば、一般的な甲類の焼酎ベースで仕込んだ梅酒「EMITAME」をはじめ、
ブランデーベースの「TOKAMI」、地元の鳴門金時を使用した芋焼酎ベースの「トクロング」、
ラム酒ベースの「AUGUST DANCERS」、ウイスキーベースの梅酒など、
バラエティー豊富な梅酒を製造しています。
特に、ブランデーベースの「TOKAMI」は
芳醇なブランデーの香りと梅のフレッシュな甘さとのバランスがよく、ロックで飲むと最高の一杯です。
代表的な郷土料理に、日本三大秘境に受け継がれるつなぎの少ない風味の濃いそば「祖谷そば」や
豚バラ肉を使ったすき焼き風のラーメン「徳島ラーメン」などがあります。
地元では美郷の梅酒は食中酒としても飲まれていますので、郷土料理とのペアリングを楽しまれてはいかがでしょうか。
追記
その土地の気候風土が異なれば、その土地の食文化も異なります。
食文化と共に発展してきた地酒の愉しみ方をご紹介してきましたが、
今回の徳島県で地酒コラムは最終回となります。旅の楽しみ方のひとつとして、
全国の郷土料理と地酒とのペアリングを堪能されてはいかがでしょうか。